盲導犬の歴史
盲導犬
約1万2千年前の遺跡の発掘品から、そのころ既に人間と犬が共に生活していたことが知られているように共存の歴史は長く、古くは住居や食糧庫の見張りや狩猟の手伝いなどをする存在でした。イタリアの古代都市ポンペイの壁画には視覚障がい者を誘導する姿が描かれています。1819年、オーストリアの神父ヨハン・ウィルヘルム・クラインが視覚障がい者を誘導するために犬を訓練したのが、正式な盲導犬の発祥であるといわれています。
本格的に事業として育成が開始されたのは、1916年第一次世界大戦後のドイツにおいてです。戦争により目が不自由になった軍人のために盲導犬が育成され、やがてヨーロッパの各地やアメリカなどで盲導犬育成の事業が開始されました。
日本では、1938年にアメリカの盲導犬使用者が来日した際に紹介され、翌年にドイツから4頭の盲導犬が輸入されました。しかし、その4頭が亡くなった後は、しばらく盲導犬が不在の時代が続きます。1957年に国内ではじめての日本人の手による育成で「国産第一号」の盲導犬が誕生します。その後、国内数か所に盲導犬協会が設立され事業としての育成が開始されました。
現在でも、北から北海道、栃木、東京、神奈川、愛知、京都、大阪、兵庫、島根、福岡の10協会13施設で、年間100頭以上の盲導犬が育成されています。
現在、全国で盲導犬を希望する視覚障がい者3,000人(推計)に対して盲導犬の実働数は約1000頭余り(2013年3月31日現在)。日本ではまだまだ盲導犬が不足している状態です。
身体障害者補助犬法の施行
2002年~2003年に「身体障害者補助犬法」が施行され、盲導犬をはじめとする補助犬(盲導犬・介助犬・聴導犬)の公共施設、不特定多数の利用する施設(デパート、ホテルなど)への受け入れに関する環境が整いました。